実行予算で利益を出す

建設業が不況の時代に利益を確保するには・・・

アベノミクスのおかげで景気が良くなった、なんぞととマスコミでは言われてますえど、建設業(土木工事業・建築工事業・工務店・リフォーム会社等々)は、相変わらず不安定な状況が続いていますね。

元請から仕事を出される際の単価が低下しているのが相変わらずな上に、建設業における材料を仕入れる際の単価はそのまま、あるいは逆に値上がりしたりで、利益を圧迫しているようです。

 

ついては、資金繰りが悪くなって、借入金の返済猶予(いわゆるリスケ)をするなどが巷では当然のようになっています。

こういう環境下で、中小零細の建設業者(土木工事業・建築工事業・工務店・リフォーム会社等々)が生き残るには、一つ一つの工事を小さい規模のものでも大切にして、小さな数字を積み重ねることが肝要と考えます。

この建設業界は元々どんぶり勘定の社長がほとんどで、どれだけ儲かってるかは、工事が終わって最後の売上金をもらって支払いが終わるまではわからない、というのが当り前という感じですが、今どきこんな考え方では、とてもやっていけません。

 

今は、利益を確保することが非常に難しい時代なのですから、きっちり予算を立てて利益を確保して完工・引き渡しすることを目標とすべきです。

 

 

建設業における実行予算書は、各工事の詳細を具体的に管理するための資料で、特に予算の執行についての基本になる資料です。

建設業で大事なことは、実行予算書を活用し、着工前に予算を確認し利益を確保することを常に頭に置く、ということ尽きます。

 

 

まず、受注額から、本部経費(販売管理費)や現場経費と目標利益を差引き、残った額で仕入れや外注の予算組を実施します。

必要な利益や経費を先に確保するわけですから、残った額で外注等の予算組をするのは金額的に厳しいかもしれませんが、全ての取引先に応分の依頼をすることにより解決できるでしょうし、そういう手続きが必要とされる時代でもあるのです。

 

着工前に、全ての予算組を完成させ、まず会社に必要な利益を確保し、竣工後は取引先に約束通りの支払をすることにより、財務的には全てがスムーズに回るようになると思います。

黒字を確保できないと言われる建設業者の傾向として、お得意様の意向を尊重し過ぎ、仕入先や外注先等のお取引先へ配慮をしすぎるということが挙げられます。

受注金額は発注者の言い値で、支払額は取引先の言い値であれば、利益など確保できるわけもないのです。

 

実行予算書で管理する!

 

工事の着工前に、実行予算書を作成し着工時から施工中、工事完了するまで予算と実施のギャップを確認していきながら管理していくことが必須なのは前述した通りです。

 

建設業で利益を増大させるには、工事原価を低減できるかということですね(まあ当り前ですよね)。
建設業において、原価のほとんどをしめるのは、言うまでもなく、現場での工事にかかわる工事原価(材料費・労務費・外注費・現場経費)です。
販売費および一般管理費(いわゆる一般経費)をどう削減していくか、在庫品の材料のロスをどうなくすか、なども非常に大事なことですが、やはり一番大きく響いてくるのは工事原価です。

そして、これまた当り前のことですが、実際に原価を管理するのは工事担当者になるわけですが、いかに原価管理をうまくやっていくかが腕に見せどころになります。

 

そして、この原価管理を行うためには実行予算書が必須なのです。

しかし、単に予算金額のみの金額の評価管理ではおおきな期待はできないので、実行予算書管理の仕方によっても利益が大きく左右されることも当然です。

 

 

なぜ実行予算管理が必要か・・・工事完了時の最終実施金額が当初の予算金額に比べ、増えたり減ったりしているときは、その原因を突き止めてその対策が必要となります。
単なる原契約数量の積算ミスによる増加なのか、追加工事が出たために増えているのか、材料の2重発注ミスで増えてしまったのか、あるいは建物が複雑で材料の標準的なロスでおさまらなかったのか、仕様変更のため減ったのかなどいろんなことが考えられます。

 

しかし金額の管理をしているだけの実行予算書管理では何が問題であつたのかは、まずわかりようがありません。
たとえば、クライアントの意向で突然材料がグレードアップしたものに変更されてしまう、となると、当然増額した分の売上金アップの交渉が必要となりますし、設計変更による追加工事が出てくればこれまた増額交渉をしなければなりません。

 

このような場合、実施した数量、追加数量、単価がどう変わったか、といったことが一目瞭然の資料がないと交渉が非常にしにくいものです。

先方から言われるがままの金額になってしまうのです。

実行予算書管理をきちんと実施しましょう。

 

岡野公認会計士事務所(大阪の税理士事務所です)では、建設業(土木工事業・建築工事業・工務店・リフォーム会社等々)における実行予算の作成の支援も行っております。

 

 

 

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